「DFのNEC」が復活の兆し 元日本代表の辻コーチの下、整備された組織ディフェンスとは? | ラグビージャパン365

「DFのNEC」が復活の兆し 元日本代表の辻コーチの下、整備された組織ディフェンスとは?

2013/09/29

文●斉藤健仁


9月28日、東京・秩父宮ラグビー場ではトップリーグの1stステージ、プールAの2試合が行われた。1試合目はNTTコミュニケーションズがトヨタ自動車に21-5の接戦で勝利、2試合目は勝点10で並んでいたNECグリーンロケッツとNTTドコモレッドハリケーンズが対戦し、今シーズンは、持ち前のアタックだけでなく組織ディフェンスも機能しているNECが41-13で快勝した。

攻撃面でも好調をキープ

攻撃面でも好調をキープ

NECと言えば、過去にディフェンスの強さを武器に日本選手権で3度の優勝を誇り、一昨年シーズンのトップリーグでもトップ4入りした強豪の一つ。だが、2008年からチームに関わり、昨シーズンからヘッドコーチ(HC)に就任した元ニュージーランド(NZ)代表のクレッグ・クーパー氏の指導の下、トライ数(43)こそはリーグ5位だったが、375失点でリーグ10番目とディフェンスの面でほころびを見せて6勝7敗で8位に沈んだ。

だが、開幕前にクーパーHCが「ディフェンスが良くなかったことが、昨シーズンの順位となった理由でしょう。今シーズンは我々の強みであるアタックは継続して伸ばし、一方で組織ディフェンスを整備して個々のディフェンススキルを高めきました。春から夏の練習試合を通して、個の育成と戦術に取り組むことができたと思っています」と語っていたようにNECは近年持ち味としているアタックだけでなく、ディフェンス面でも強さを発揮している。

ドコモ戦では2トライを与えてしまった。

ドコモ戦では2トライを与えてしまった。

開幕戦こそは苦手としてきた神戸製鋼コベルコスティーラーズに惜敗(●26-28)するも、続くNTTコミュニケーションズ(○33-20)、昨シーズン2冠の王者サントリーサンゴリアス(○34-33)と連勝し、今日の試合でも勝点10で並んでいたNTTドコモに41-13で快勝し、3連勝を達成した。

NTTドコモ戦後、クーパーHCは「今日は相手にゴールラインを割らせないことが目標だったのですが、2トライを与えてしまった。しかし、今年のディフェンスすごく良いので評価している。インサイドでも止められたが、ワイドでもしっかり止められた。ただ、ラックでの個人のストラクチャーのミスでトライを許してしまったので、そういったところをなくしていきたい」と課題は挙げつつも、満足している様子を見せた。

特に、日本代表、サントリーよろしくSHとSOの回りにFWを立たせて連続攻撃を狙う「アタック・シェイプ」を採用しているチームに対して、近場から素早くプレッシャーをかけて、相手のアタックを封じている場面が目を引く。かつてNECに在籍したNTTドコモの元日本代表主将のNO8箕内拓郎も「NECの方が攻守に渡って組織として整備されていて、2対1というシチュエーションを作られた。そこでテンポが上がらず、ターンオーバーされたり、やってきたことが出せなかったですね」と肩を落とした。

それでは、NECの個々の選手としては、どういった意識でディフェンスに取り組んでいるのか。

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